口腔がん予防・治療としての高濃度ビタミンC療法

がん予防・治療に使われる理由

大量のビタミンCが点滴されると、血管内のビタミンCは血管外の組織に漏れ出ていきます。

そして高濃度となったビタミンCが、がん細胞の周囲で鉄などの微量な金属とフェントン反応を起こして活性酸素のひとつである過酸化水素が発生します。

この活性酸素である過酸化水素がおよそ30分でがん細胞に対して作用し抗がん効果を発揮すると言われています。一方、正常細胞はカタラーゼという酵素が過酸化水素を中和するので影響をまったく受ません。がん細胞の多くはこのカタラーゼが欠乏してために過酸化水素を中和できずにダメージを受けて破壊されてしまいます。すなわち、ビタミンCは高濃度になると栄養素ではなく抗ガン剤として働くのです。

高濃度ビタミンC点滴において、このがん細胞を殺せる血中濃度は、およそ1時間持続します。

高濃度ビタミンCが、がん細胞周囲で鉄などの微量な金属とフェントン反応を起こし、過酸化水素が発生する。

この活性酸素である過酸化水素が、がん細胞に対して作用し抗がん効果を発揮する

Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: Action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues. Qi Chen, Michael Graham Espey, et al.
NIH:アメリカ国立衛生研究所 NCI:アメリカ国立癌研究所 FDA:アメリカ食品医薬品局

高濃度ビタミンC点滴では早期がんよりももっと早い段階のいわば超早期のがんを叩くことも出来るわけですから、再発や未だ発症していないガンの予防としても有効な手段となりえるというわけです。

さらに、ビタミンCはミトコンドリアの機能を正常化し、インターフェロンの産生、マクロファージの食作用の亢進、NK細胞数の増加と遊走能の亢進など免疫システムを刺激し、癌抑制遺伝子(がんの発生を抑える遺伝子)P53遺伝子を安定化しします。

すなわち、ビタミンCはガンの抗がん作用を発揮しながらで免疫力を高めるという、これまでにない理想の化学療法剤であるわけです。

過酸化水素はDNAミトコンドリヤ解糖系に影響して癌細胞を破壊する

9L-神経膠芽腫(悪性脳腫瘍細胞)

治療群にはビタミンCを1日2回 4mg/g/BWを腹腔内投与コントロール群には生理食塩水を1日に2回腹腔内投与ビタミンCを投与すると癌の転移が見られなかった。

Biochemical and Biophysical Research Communicationsより
High dose of ascorbic acid induces cell death in mesothelioma cells. Yukitoshi Takemura, Motohiko Satoh, Kiyotoshi Satoh, Hironobu Hamada, Yoshitaka Sekido,Shunichiro Kubota.

高濃度のアスコルビン酸は中皮腫の細胞死を誘導する
東京大学大学院総合文化研究科、愛媛大学大学院、愛知がんセンター研究所、名古屋大学大学院

医学的背景

2005年、アメリカ国立健康研究所、国立ガン研究所、国立食品医薬品局の科学者が共同で「高濃度のビタミンCはガン細胞を殺す」という論文をアメリカ科学アカデミー紀要に発表しました。

Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005; 102(38):13604-9

続いて、2006年3月には高濃度ビタミンC点滴療法で長期生存を続けている3人のガン患者さんについてカナダ医師会雑誌に論文が発表され、2007年には「高濃度ビタミンC点滴療法がガン患者の痛み、倦怠感、食欲低下、不眠などの諸症状を改善し、QOL (生活の質)を改善する」との論文発表がされています。

Intravenously administered vitamin C as cancer therapy: three cases. CMAJ. 2006 March 28; 174(7): 937–942
Changes of terminal cancer patients' health-related quality of life after high dose Vitamin C administration. Korean Med Sci. 2007 Feb;22(1):7-11.

現在、アメリカやカナダの多くの医師が、がん患者に高濃度ビタミンC点滴療法を行うようになり、この治療を受ける患者の数は急増しています。

カンザス大学、ジェファーソン大学、アメリカの民間ガン専門総合病院グループはそれぞれアメリカ国立健康研究所の認可を得て卵巣ガン、悪性リンパ腫、すい臓ガンなどあるいは、全身にがんが転移したような末期ガンに対する高濃度ビタミンC点滴療法の効果について臨床研究を開始しています。

CMAJ 2006 Intravenously Administered Vitamin C as Cancer Therapy:Three cases.
ビタミンC点滴療法が奏功したガン症例(3例)腎臓癌・膀胱癌・悪性リンパ腫

カナダ医師会雑誌 CMAJ 2006;174(7):937-42 NIH:アメリカ国立衛生研究所 NCI:アメリカ国立癌研究所 マギル大学(カナダ)医学研究所 他

療法の適応

(1)標準的がん治療が無効の場合

(2)標準的がん治療の効果をより確実にする
 a.標準的がん治療の副作用を少なくする

(3)良好な体調を維持しながら寛解期を延長させる

(4)代替治療とを希望する場合など

(5)有効な抗ガン剤や放射線治療がある場合は併用を推奨

※この治療が有効なガンの種類については口腔がんも含め、まだ研究段階です。

副作用・有害事象(1)

副作用として①点滴刺入部の痛み、②眠気やだるさ、③嘔気や頭痛、④低血糖症状(冷感、疲労感、めまいなど)が見られると言われていますが、②以外の副作用はめったに出ません。なお、②の副作用は、花粉症などのアレルギーの薬を飲んだときに眠気を感じるのと同様に抗ヒスタミン作用によるものです。

まれにビタミンCが体質に合わないG6PD欠損症の方がおられますので、初回に検査を受けてもらい、検査結果後、週1回のビタミンC点滴を3ヶ月間行います。4ヶ月目からは月に1回ビタミンC点滴投与をお勧めします。

※透析中の方、重症の心不全の方、高度の腹水、胸水の貯留している方は,治療ができない場合がありますのでご相談ください。

副作用・有害事象(2)

高濃度ビタミンC点滴療法で有名なアメリカのカンザス州ウイチタ市にある国際人間機能改善センター(The Center for the Improvement of Human Functioning International) での15年間、3万件以上の高濃度ビタミンC点滴療法では、1例ですが点滴初日に腫瘍から出血を起こした事例の報告がありますが、大事には至っていません。このような腫瘍出血はこれまでの抗ガン剤の投与でも見られる副作用です。

高濃度ビタミンC点滴療法終了後の数時間は、簡易血糖測定器で測る血糖値が高値になります。これは見かけ上、高いだけで、実際の血糖値はもっと低い値になります。したがって自己血糖測定をしてインシュリンの注射量を決めている糖尿病患者ではインシュリンの量に注意しなければなりません。

殆ど副作用のない安全な治療だと言えます。

IVC投与の実際

最初はビタミンC25gから点滴を始め、50gと増量します。典型的な例では週に2回の点滴で6ヶ月間継続、その後の経過が良ければ週1回を6ヶ月、さらに2週に1回を1年間、その後は月に1回行います。

ビタミンCの量と点滴頻度は病状によって変えていきます。なお、この治療を続けることにより免疫システムの増強、ガン性疼痛の軽減、食欲の改善や体調の改善が期待できます。

使用する注射用ビタミンC製剤

高濃度ビタミンC療法を行う場合には、防腐剤入りの国産ビタミンC注射薬は使用できません。

高濃度ビタミンC点滴では、外国製の防腐剤の入っていない、安全なビタミンC注射薬(1本25g)を使います。国産の注射薬には全て防腐剤(ピロ亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム)が添加されているので、高濃度ビタミンC点滴には向きません。

また、ビタミンC注射薬は温度に不安定なため、製造工場からクリニックに届けるまで2~8℃の冷蔵保管が義務づけられていますが、この規則を守らないで、冷蔵せずに輸入する業者もいます。

当院で使用するビタミンC製剤は、アイルランド工場から冷蔵コンテナで日本に輸入しているマイラン社製(Mylan Institutional)ビタミンC注射液を使用しています。

治療の流れ

  高濃度ビタミンC療法
1回目 ビタミンC25g点滴(約40分)週2回
2回目 ビタミンC50g点滴(約60分)週2回-6か月
3回目 ビタミンC50g点滴(約60分)週1回-6か月
4回目 ビタミンC50g点滴(約60分)2週1回-6か月

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命を預かる歯科口腔外科診療

口の病気には口腔癌など命に直接関係する怖い病気以外にも、心筋梗塞や脳梗塞を起こす血栓の原因である歯周病菌や、誤嚥性肺炎の原因、敗血症の原因になる病巣、骨粗鬆症の診断など命に直結する疾患や原因が多く存在します。
私ども東京銀座シンタニ歯科口腔外科は、院長である新谷悟教授の25年に及ぶ口腔外科医として心血を注ぎこむ命を預かるクリニックとして開院いたしました。

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