東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック

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Dysgeusia

味覚障害

04 甘味・酸味・塩味・苦味・旨味など
新谷メソッドによる味覚障害治療

味覚障害

食事などの時に、味がおかしいなとか変だなと思ったりしたら味覚障害の可能性があります。

味覚には、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味などがありますが、それらの味覚が低下したり、何を食べても味を全く感じなくなることもあります。また、口の中に何もないのに塩味や苦味を感じることや何を食べてもまずく感じてしまうことなどの症状もあります。

このように本来の味と違った味がすることも味覚障害です。

味覚障害とは

  • 味に対する感度が低下したり、味を感じなくなったりすることです。
  • 逆に、口の中に何もないのに塩味や苦味を感じたり、何を食べてもまずく感じてしまうという味覚異常も味覚障害の1種です。

味覚障害の症状は様々ですが、主な分類として

  • 味がよく分からなくなる「味覚減退」
  • 味がまったく分からなくなる「味覚消失」
  • 何も食べていないのに苦味・塩味・渋味などの味を感じる「自発性異常味覚」

その他に、解離性味覚障害(5つの基本味のうち1ないし2種類の味が識別できず料理の塩加減がわからないなど)、異味症(チョコレートが苦い、醤油が苦いなど)、味覚錯誤( 塩味や酸味を苦味と感じたり、塩味を酸味と感じるなど)、味覚過敏(薄味を濃い味と感じてしまうなど)、片側に味覚消失があるタイプ(舌や口の片側だけの味が低下したりなくなったりするなど)があります。

障害のタイプ

味は舌や軟口蓋などにある味蕾によって感じ、塩味・酸味・と甘味・苦味・うま味の5種類の受容体があります。この味蕾の様々な障害が味覚障害として症状を表します。

味覚欠如・無味覚

「全く味がしない」「何を食べても砂を食べているようだ」など

味覚減退

「味が薄くなった」「食事がおいしくない」など

自発性異常味覚

なにも食べていないのに、苦味・塩味・渋味を感じるなど

解離性味覚障害

5つの基本味のうち1ないし2種類の味が識別できず「チョコレートの味がしない」「料理の塩加減がわからない」など

異味症

「チョコレートが苦いだけだ」「醤油が苦い」など

味覚錯誤

基本の味を異なった基本味として感じるため、塩味や酸味を苦味と感じたり、塩味を酸味と感じるなど

味覚過敏

薄味を濃い味と感じてしまうなど

片側に味覚消失があるタイプ

舌や口の片側だけの味が低下したりなくなったりするなど

近年の高齢社会、ストレスの増加などから、高齢の方では主に老化により、若い方ではストレスなど(心因性の仮面うつ病・不安神経症など心因性のストレス)により味覚異常を訴える方は増加しています。

味を感じる細胞は数十個集合して味蕾(みらい)を形成し、この味蕾が舌・舌の付け根(後方)・軟口蓋に分布しています。

有郭乳頭という舌の後方にあるイボイボは、しばしば患者さんがガンと間違われるのですが、これには多数の味蕾がびっしり並んでいます。この味蕾から神経が脳に味を伝達します。味蕾の数は高齢になると1/2から1/3に減少するといわれています。

歳をとって味付けが濃くなった方は、味蕾の数の減少が原因かもしれませんし、一方で、年をとるにつれてあっさりしたものを好むようになる方は、唾液が減ることで消化酵素の働きが低下したり、入れ歯などで噛むことが苦手になったりして、消化能力が衰え、胃に負担の少ない食べ物を好むようになるからと言われています。

エネルギー代謝が衰えて汗をあまりかかなくなるため、若い頃に比べて塩分の必要量も減ります。高血圧や糖尿病などの食事療法として塩分や糖分などに制限がある生活をしていることも、味覚の嗜好の変化に影響しているのではないかといわれています。

味覚障害の原因

味覚障害の原因は、不明な点も多いのですが、次のことが知られています。

全身疾患の影響による味覚障害

糖尿病・慢性腎不全・内分泌機能の低下などの全身疾患で味覚障害が生じます。
糖尿病は、糖尿病は膵臓でつくられるインスリンの分泌や作用が低下し、血糖値が慢性的に高い状態になる生活習慣病ですが、放置すると重い合併症を引き起こすことがあります。その一つが神経障害で、味覚を伝達する神経が侵されると味覚障害が生じます。また、糖尿病性腎症により腎臓の機能が低下すると、尿への亜鉛の排泄量が増えるため、味覚障害が起こります。糖尿病の患者さんの約1/4に味覚障害が生じるという報告があります。

また貧血(鉄欠乏性貧血):鉄分の不足が主因で、酸素と結合して酸素を体のすみずみまで運ぶヘモグロビンが減少し、血液中の濃度が薄くなった状態です。ヘモグロビンの数値が男性は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下になると、貧血とされています。だるさや倦怠感、めまいなどの症状があらわれる前に、舌の表面が赤くつるつるした状態になり、味覚障害が起こることが少なくありません。

心因性の仮面うつ病・不安神経症など心因性のストレスが原因での味覚障害生じることがあります。

食生活など偏った食事などによる
栄養(亜鉛)不足

体内の亜鉛が不足すると、味蕾の新陳代謝が十分に行われなくなって味覚障害が生じます。

インスタント食品などに含まれる食品添加物は、食品中に含まれている亜鉛が体内に吸収されるのを妨げるものもあると言われています。亜鉛欠乏症は、体内に亜鉛が不足した状態で、不足すると味覚や嗅覚障害をはじめ、皮膚炎、脱毛症、生殖機能の低下、食欲不振、鉄欠乏性貧血、糖代謝異常などさまざまな障害があらわれ、感染症にもかかりやすくなります。

亜鉛の摂取不足や消化器疾患による亜鉛の吸収障害、腎臓の疾患による亜鉛の排泄の増加などによって引き起こされます。その他、ビタミンA・B2・B9・B12などの栄養素の不足で味覚障害を発症することがあります。

お薬の副作用

関節リウマチ、高血圧、パーキンソン病、糖尿病、鎮痛・解熱薬、抗アレルギー楽、消化性潰瘍(かいよう)治療薬等の薬などごく一般的なお薬が味覚障害の原因となり得ます。

投与中止により多くは味覚が戻りますが、回復に時間がかかることもあります。これら薬剤が、亜鉛や銅等の代謝に影響を与えていることが推定されています。

がんや放射線治療に伴う味覚障害

ガンの患者さんも味覚が低下し、これが食欲不振の原因と考えられています。また、頭頚部や脳のガンに放射線治療を行うと、口の中やのどの粘膜に放射線がかかり、炎症のため味覚障害が生じます。

がんで化学療法を受けている患者さんの3~5割、頭頸部のがんで放射線治療を受けている患者さんのほとんどに味覚障害がみられます。

口腔・のどの病気による味覚障害

舌炎やカゼによる咽頭炎等、口腔・のどの病気でも味覚障害が起きます。

正常な舌の表面は、小さい突起に覆われているために、全体がザラザラしています。この表面の舌の付け根や舌の先から両側の中ほどに味を感じる細胞(味蕾・みらい)があります。

舌炎はこの味蕾のある表面が炎症によって赤くなり、食べ物によってしみたり、歯にあたって痛み、味が見分けにくくなる味覚障害を起こします。原因はいろいろで、熱い食べ物による火傷、義歯による傷、ウイルスによる感染などによるものがあります。また、舌の表面には舌苔(ぜったい)という白い苔のようなものがごく薄くついています。これは、下の表面が剥がれたものや食べ物のカス、細菌、白血球の残がいなどが溜まったものです。疲れたりストレスを感じたりすると舌苔が厚くなったり色が変わったりして、舌の違和感や味覚障害を生じることがあります。

また、シェーグレン症候群など唾液分泌が低下し、口内が乾燥すると味覚障害を来します。シェ-グレン症候群以外でも、唾液の分泌が減り、口呼吸などで口腔粘膜の水分が失われて起こる疾患で、ドライマウスとも呼ばれる状態になります。

唾液の量が減ると食べ物の味物質が溶け出しにくくなり、舌の表面の味を感じる細胞(味蕾・みらい)が働きにくくなるために、味覚障害が起こります。原因としては、加齢をはじめ、良く噛まないで早食いをする食生活、生活習慣病、精神的なストレス、薬の副作用などが挙げられます。この場合、唾液の分泌を促進する薬や人工唾液を使用します。

その他、舌のやけど、口の中のけが等味蕾への外的障害でも生じますし、抜歯や歯科治療での口腔内環境変化や喫煙も味覚に悪い影響を与えます。

味を伝える神経の障害による味覚障害

顔面神経麻痺の際、味覚が障害されることがありますが、これは、鼓索神経・大錐体神経がともに顔面神経の枝だからです。顔面神経麻痺の原因にはいろいろありますが、一番多いのは、ベル麻痺とよばれる特発性の病気です。ベル麻痺は明らかな原因がないのに急に起きるもので、循環障害による神経の腫れによるものではないかと考えられています。次に多いのはヘルペスウイルスによる神経炎です。顔面神経のどの部位が障害されているか、また予後の判定に、電気味覚検査が重要です。

聴神経腫瘍:脳から耳に出ている聴神経に発生する良性の腫瘍で、脳腫瘍の約10%をしめます。はじめは軽い耳鳴りが次第に強くなる場合は、聴神経腫瘍の可能性があります。腫瘍が大きくなると、腫瘍を切除しても聴力がおとろえたり、顔面神経に障害をきたし、麻痺が起こると味覚障害が生じることがあります。

頭部外傷や脳血管障害などにより脳の味覚中枢が障害されても、味覚障害が生じます。味覚と嗅覚がともに障害されていることもあります。脳梗塞は脳の血管に血液の塊(血栓)が詰まることによって、脳の組織が破壊される疾患です。脳出血は脳内の血管が破れて出血する疾患で、脳の中にできた血液の塊が周囲の組織を圧迫すると脳の障害が進みます。

大脳、小脳や脳幹部にこれらの障害が起きると、激しいめまいや頭痛、吐き気、嘔吐などの症状とともに、味覚障害が起こることがあります。また、頭部外傷によって味覚に関与する中枢神経が障害されると味覚障害を起こします。

鼓索神経は、中耳を通るので、慢性中耳炎がある場合に味覚障害を生じます。また、中耳炎の手術の際、中耳病変除去のため鼓索神経に触れたり引き伸ばしたりすると味覚障害が生じることがあります。

嗅覚障害による味覚の低下

例えば風邪などで鼻づまりを起こしている時に食べ物の味を感じなくなった経験は、どなたにもあるでしょう。同様に風邪以外でも鼻の病気が原因で味覚障害を起こすことがあります。これは、味覚と嗅覚が密接に関係していることによります。

口と鼻から味とにおいの情報が脳に送られ、一つに統合されることによって風味を味わうことができるので、嗅覚が低下しているときは味覚障害が起きやすくなります。

高齢による味覚自体の減退

加齢とともに味を感じる機能が低下すると言われています。
60歳~70歳代をピークに味覚障害を訴える患者さんが増加し、患者さん全体の約半数は65歳以上の高齢者です。

味覚障害の検査・治療(新谷メソッド)

必要な検査を行い、原因を同定する

問診、口腔内・舌検査など。

味覚の検査

問診、口腔内ならびに舌の視診、触診などを行います。
問診で服用している薬物の有無や種類を伺い、舌視診では、舌の萎縮(いしゅく)や乾燥はないかを観察したりします。

味覚の検査

舌の炎症や、溝状舌、地図状舌、平滑舌などの舌の状態も味覚障害に関係する

新谷メソッド味覚障害治療

治療は原因となる病気がある場合は、その病気の治療を行います。
例えば、亜鉛の欠乏が分かった場合は亜鉛の飲み薬を処方し内服していただきますが、積極的に亜鉛を多く含む食品を摂取することも大切です。

亜鉛を多く含む食品には、牡蠣(かき)や煮干しなどの魚介類、牛肉、のりやワカメなどの海藻、ゴマやカシューナッツなどのナッツ類、高野豆腐やきな粉などの大豆加工品、チーズや脱脂粉乳などの乳製品、抹茶やココアなどの飲み物などがあります。

その他、口腔内環境改善など原因ごとに治療法を選択します。

  • 全身疾患の影響による味覚障害
    ※全身疾患の治療
  • 食生活など偏った食事などによる栄養(亜鉛)不足
    ※亜鉛製剤、ビタミン剤など
  • お薬の副作用
    ※お薬の変更など
  • がんや放射線治療に伴う味覚障害
    ※有害事象対策
  • 口腔・のどの病気による味覚障害
    ※口腔内環境の改善、口腔ケア、金属を外す、唾液腺マッサ-ジ、人口唾液、口腔内細菌叢の調整など
  • 味を伝える神経の障害による味覚障害
    ※顔面神経麻痺、聴神経腫瘍、頭部外傷、脳血管障害、慢性中耳炎などの治療
  • 嗅覚障害による味覚の低下
    ※現疾患の治療
  • 高齢による味覚自体の減退
    ※高濃度ビタミンC点滴

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