親知らずの抜歯実績

(カッコ)内は骨性完全埋伏歯の抜歯を示します。(横向き埋伏智歯)

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 27
(17)
57
(38)
48
(35)
53
(39)
52
(45)
48
(42)
68
(40)
66
(50)
65
(40)
73
(48)
50
(27)
2015年 49
(38)
63
(47)
79
(52)
94
(78)
99
(64)
102
(77)
102
(79)
85
(59)
95
(62)
109
(72)
102
(68)
91
(63)
2016年 95
(72)
97
(71)
106
(89)
90
(62)
83
(58)
97
(73)
104
(89)
98
(74)
99
(63)
104
(86)
90
(64)
90
(66)
2017年 86
(63)
108
(79)
110
(87)
77
(52)
72
(58)
67
(41)
99
(69)
103
(79)
80
(58)
81
(58)
112
(84)
82
(59)
2018年 108
(83)
109
(87)
111
(80)
98
(76)
144
(107)
158
(119)
122
(94)
133
(99)
130
(94)
86
(63)
合計実績
5,106抜歯(3,736抜歯)
※2018年10月まで

2014年:607(421)抜歯
2015年:1,070(759)抜歯
2016年:1,153(867)抜歯
2017年:1,077(787)抜歯
2018年:1,199(902)抜歯 10月までのデータ

動画で親知らずを解説

東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニックの新谷 悟が、お口のことを解説する”新谷 悟の「お口の博士」”というYouTube番組を立ち上げました。なるべく分かりやすく説明していきますので、一度ご覧ください。

Vol.01 親知らずとは

Vol.02 親知らず抜歯01

Vol.03 親知らず抜歯02

親知らずとは

親知らず・親不知(おやしらず)とは、第三大臼歯および第三大臼歯のことを言います。

思春期後半から20歳以降に生え始めることが多いため、親に口の中を見せる時期を過ぎて親が知らないうちに生えるということでこの名前になったようです。

現代人では顎が小さくなっており完全に生えてこない場合も珍しくありません。

古代など原始人の頃には、顎の大きさが大きく、他の大臼歯と同じように、まっすぐに萌出(生えて)かみ合わることができ、使えていたのですが、現代になるにしたがって、軟らかいものしか食べなくなったため顎が小さくなり、最後に萌出する親知らずは萌えるスペースがなくなり、斜めや横に萌出(生える)ことが多くなりました。

現代では、上下左右計4本ある親知らずのうち、約30%で、1本以上先天的に欠如(生えてくることがない)しています。

歯列としてかみ合わせに完成するのは、親知らずの1本手前の第2大臼歯までで、親知らずはかみ合わせに関与しない機能しない不要な歯と考えられています。かみ合わせに関係せず、機能しなくても何も症状なく埋まっていてくれればいいのですが、生えてくるときに斜めや横向きに生えてくることが多く、その際に、炎症(智歯周囲炎)を併発することが多いために根本的な治療として抜歯が必要となります。

ただ、まれに親知らずが健全に存在し、将来、歯の移植に使える場合もありますので、専門医に診断してもらうことも必要な場合があります。

親知らずの症状

  • 奥歯のあたりが痛い、腫れる、膿のようなものが出る
  • 奥歯のあたりから臭いや変な味がする
  • 口が開きにくい、口を開けるときに痛い
  • 歯ならびが悪くなってきた(親知らずが歯列を押します)

上記のような症状が出る親知らずですが、歯科医学的にはどのようなことがトラブルの原因になっているのでしょうか。

  •  智歯周囲炎

    親知らずのことを智歯(ちし)と言います。親知らずは第2大臼歯のさらに奥の非常に見えにくい場所にあり、歯ブラシ十分にとどかず、清掃がしにくいことから細菌が住みつき、周囲の歯肉に炎症を起こします。このことを智歯の周囲での炎症=智歯周囲炎と呼びます。この智歯周囲炎は慢性の炎症で、体調が悪くなると腫れたり痛んだりします。しかし、そのような体調が崩れた時などには急性炎症になり、顔まで腫れたり、発熱したりして重症になると抗生物質の点滴治療などで消炎を図るなどが必要になる場合もあります。
  •  虫歯

    親知らずは、第2大臼歯の奥に斜めや横向きに生えてくることから、歯ブラシやフロス(糸ようじ)がとどかず、十分に清掃でいないことから虫歯菌により虫歯を発生します。親知らずが虫歯になる場合や、その手前の第2大臼歯も同時に虫歯にあることがあります。歯がしみたり、痛かったりする虫歯の痛みなどで気がついた時には第2大臼歯も大きなむし歯になっていて虫歯の治療が必要であったり、神経を取る処置が必要になったり、最悪の場合には抜歯が必要なまでに大きなむし歯ができたりすることがあります。親知らずが虫歯になって抜歯を必要とするのみであれば、大きな問題にはならないのですが、第2大臼歯が健全ではなくなると噛むことに重要な役割を果たしていることから、そのような事態を避けるためにも親知らずの抜歯が必要になることがあります。
  •  歯列不正

    斜めに生えてきたり、横向きに埋まった親知らずが大臼歯のみならずどんどんと前の歯を押すため、歯並びが悪くなることがあります。歯並びが悪くなりますと噛見ずらくなったり、見た目も悪くなりますので、患者さんによっては矯正治療が必要となります。逆に歯ならびをよくする矯正治療を始めたり、終わったりした患者さんで、矯正専門医からきれいに並ぶ歯列のために親知らずの抜歯が依頼されることもあります。

親知らず抜歯の利点・欠点

メリット

・歯磨きがしやすくなる
・親知らずが原因の口臭が解消される
・歯並びが悪くならない
・妊娠期間は母子共に安心

デメリット

・数日間ほど腫れる場合がある
・傷が治る1ヶ月は抜いた後に食べ物が詰まることがある
・非常にまれだが顎の神経に影響が出る場合がある

若い女性にお勧めする理由

女性の場合、特に妊娠前、結婚適齢期の前に親知らずの抜歯をお勧めします。

妊娠するとホルモンバランスの影響で親知らずが激しく痛むケースがあります。

そうなるとおなかの中に赤ちゃんがいるのに、X線写真を撮ったり、痛み止めのお薬や抗生物質のお薬を飲まないといけなくなります。

そのために妊娠中や授乳中は、たとえひどい痛みがあっても親知らずは抜歯できないですし、お薬による治療も赤ちゃんへの影響を考えると行いたくないのが実情です。

そのため、妊娠する前に親知らずを抜歯することが勧められています。

親知らずは抜いた方がいいのですか?

親知らずは、先述したように、智歯周囲炎や虫歯、歯列不正の原因となるため、抜歯せざるをえなくなりますので、症状が出た場合は早目に抜歯をした方が良いと思います。

とくに、後でも述べますが、女性の場合には、妊娠中に症状が出ると一般的にはレントゲン撮影や薬の投与、抜歯ができず大変な思いをしますので、妊娠前に計画的に抜歯を行うのも一つの方法です。

ただ、親知らずの抜歯は外科手術であり、歯茎を切開して剥離し(めくり)、場合によっては骨を削除し、歯を分割して抜くなど、専門的な治療であり、かつ神経損傷などのリスクの問題がありますので、十分なインフォームドコンセントの上で決定された方がよろしいと思われます。

親知らずを抜くのは大変ですか?

親知らずは斜めや横向きに生えるあるいは埋まっていて、歯の一部だけが歯肉から見えている状態のことが多く、まっすぐに生えている歯を抜く、いわゆる普通の抜歯に比べて格段に難しいと言えます。そのため手術中や手術後の患者さんの負担も大きくなります。

基本的には、抜歯というよりは手術をして歯を摘出するということになります。骨の中に埋まった歯を取り出すわけですから、専門的な技術が必要となります。そのため、親知らずの抜歯手術を短時間で、痛みなく、確実にこなすためには、大学を卒業後、大学病院の口腔外科などにおいて長年に渡る修行が必要となります。

口腔外科の専門医は、このような難易度の高い抜歯を患者さんに負担をしいることなく短時間で行います。歯科医と患者さんが2時間悪戦苦闘して抜けなかった親知らずを、口腔外科の専門医は20分ほどで痛みなく抜いてしまうなどということも日常的に経験することです。

親知らずはどのようにして抜歯するのですか?

非常に困難な抜歯では入院して全身麻酔などを行って抜歯することもありますが、基本的には外来で手術を行い摘出します。

静脈鎮静や笑気ガスによるリラックス麻酔を行い、患者さんに抜歯の恐怖心を取っていただき、その後、歯医者さんで虫歯の治療などを行うときに行う通常の局所麻酔後、歯肉粘膜を切開剥離し、ドリルで骨を削り、さらに歯を分割して摘出します。歯を摘出した穴には抗生剤と止血剤を填入し、縫合します。

親知らずはどこで抜くか?

親知らずの抜歯は基本的には保険治療です。どこの医院でも親知らずの抜歯は対応していますが、難しい抜歯の場合には大学病院や大きな病院の口腔外科に紹介されます。

当院の新谷教授は口腔外科のエキスパートですので、全ての症例において当院で対応できます。無痛治療を徹底いたしておりますのでご安心ください。

海外に在住の方や、通院になかなか時間がとれない方、矯正歯科治療を早く始めたい方などは、親知らずを短期間の通院で抜くことも行っております。

眠っている間に治療が終わる静脈内鎮静法を用い、麻酔専門医のもと抜歯を行います。詳しくはご相談ください。

※鎮静リラックス麻酔、CT撮影などを必要とする場合には保険適応外になることもあります。

親知らずを抜く上でのリスクはありますか?

  •  神経の麻痺

    下顎骨の中央からやや下方に下顎の裏から神経が入り、唇、オトガイ部と言われる部分(後述)にまで神経が走行するためのトンネルのような管が存在します。その管(下顎管)の中に神経(下顎神経)が入っています。下顎の親知らずの抜歯のリスクとして最も多いのはこの神経の麻痺です。これは、親知らずの根の先端がこの神経と近接あるいは接触しており、歯を抜歯する時に、親知らずに入り込むし細い神経を、太い神経からもぎ取るようになるために発生します。全体としては1%ほどの危険率で、オトガイ部や下唇、また、非常に低い確率ですが、舌の感覚が麻痺する場合があります。舌の場合には、味覚障害も出現します。これらの麻痺は基本的には治癒しますが、治癒するのに1~2年かかる場合もあり、月単位での経過観察が必要となります。
  •  口腔と上顎洞との交通

    上顎での親知らずの抜歯では、歯を抜いたあとに上顎にある上顎洞という空洞に穴が開くリスクがあります。上顎の親知らずの根が、上顎洞という空洞に突出している人が比較的多く、抜歯後に抜歯窩(歯を抜いたあとの穴)と上顎洞が交通し、上顎洞と口がつながってしまうことがあります。上顎洞は鼻(鼻腔)とがつながっていますので、その穴らうまく閉じないと、口から飲んだ水が鼻から出たり、空気が口から鼻に漏れたりすることになります。多くの場合(上顎洞に炎症がない場合)炎症があるということは上顎洞炎(蓄膿症であることを示す)には、穴の大きさによりますが、適切な処置を行えば、大部分の症例で自然に閉鎖します。
  •  出血

    出血に関しては、口腔外科の専門医であれば適切に対処しますので心配いりません。
    抗凝固剤(血液をサラサラにするお薬)などを服用中の方も、基本的には、それらのお薬を服用しながら抜歯ができます。
    非常にまれですが、下顎管(神経、血管の入っている管)を損傷した場合には、抜歯の最中にこの血管が傷ついて多量の出血が生じる場合があります。このようなリスクの評価は、これまでのX線検査のみに加え、CTによる評価が可能で、必須です。当クリニックでは、歯科用CTが設置されており、術前の詳細な診断に基づきが施術しており、安全と言えます。

親知らずの抜歯と神経麻痺

親が知らない(子供の口に中を見ないようになった年齢)で生えてくる親知らず。この親不知の抜歯には、厄介な合併症があります。それが神経麻痺です。

顔がゆがむ(顔面神経麻痺)が生じることは皆無ですが、下唇の周辺であるおとがい神経麻痺が出ることはしばしばです。その多くは、一過的なものですが、一生続く場合も!

どうしても避けられない合併症ですが、医療事故、医療ミスも見え隠れします。

口腔外科専門医、指導医など経験と知識・技術を持った先生に抜歯してもらうことが大切です。大学病院だから安心ではなく、(大学病院で研修医が抜歯を担当することも多いため=教育病院として仕方ないのですが)、専門医、指導医などの経験が大切です。

親知らずを抜く前の準備について

親知らずの抜歯は歯科手術ですので、体調を整えて来院してください。風邪をひいていたり、体調が悪かったりした場合には中止させていただくこともあります。

食事は、普通に食べてきていただいて結構です。抜歯後2時間くらいは食事を控えたほうが良いので、そのことを考えて食事をしていただければ幸いです。

静脈内鎮静法下で抜歯を行う方は、車での帰宅は危険ですので、公共の交通機関などでの来院、帰宅をお願いします。

親知らずの2回法抜歯術について

十分な知識と技術の必要な方法です

下顎の親知らずの歯根の先には下顎の神経(下歯槽神経)が走行し、歯根と接していたり、神経と動脈・静脈が入っている管(トンネルのようなものと思っていただくとイメ-ジが付きやすいかもしれません)に歯根が入り込んでいる場合もあります。そのような場合には歯根の先が神経と交錯していることもあり、親知らずの抜歯の際に神経が傷つき、麻痺が生じる場合があります。

このような事態を避けるための方法が2回法抜歯術です。

2回法抜歯術では、1回目の抜歯の際に、おもに歯冠部(歯の頭の部分)を歯根から切断し、歯冠部を除去します。そして、残った根の部分(歯根)はそのままにして粘膜を縫い合わせて封鎖します。このことを「歯冠切除術」ともいいます。

その後、3か月から約半年が経過し、歯(残った歯根部)が、徐々に頭(歯冠部)があった方向に移動して根の先が下歯槽神経(下顎管)から離れた時点で2回目の抜歯(残った歯根部の抜歯)を行います。このことで、神経を傷付けることなく、オトガイ神経麻痺のリスクを少なくして、残った歯根を安全に除去することができる優れた方法です。

しかし、十分な知識と技量をもった執刀医でなければ優れた方法どころか最悪の結果を招きます。

私のクリニックには、歯冠だけ取って歯根を残し、2回目の抜歯の前に同部から膿がでてきて下顎骨骨髄炎になりかけていた症例や誤った舌神経麻痺(下の半分の知覚と味覚が減少しております)を生じた患者さんが来られています。

抜歯の難易度と分類

親知らずは一般の歯科医院では抜けないことも多く、口腔外科専門医、指導医のいるクリニック、あるいは総合病院の口腔外科や大学病院で抜歯してもらわないといけないことも多い病気です。

親知らずの生え方には主に3つありますが、生え方によって抜歯手術の難易度が変化します。そこで、生え方をきちんと分類して診断しようと考えたのがArcher(1975)先生と Kruger(1984)先生。次の図のように分類しました。

Classification of impaction of mandibular third molars, according to Archer (1975) and Kruger (1984).

  • 1.Mesioangular【近心傾斜(手前に斜めに生える)】
  • 2.Distoangular【遠心傾斜(後ろの方に斜めに生える)】
  • 3.Vertical【垂直方向(比較的まっすぐ生える)】
  • 4.Horizontal【水平(完全に横向きに生える)】
  • 5.Buccoangular【頬側傾斜(頬の方に斜めに生える)】
  • 6.Linguoangular【舌側傾斜(舌の方に斜めに生える)】
  • 7.Inverted【逆性(逆立ちしている)】

でも、もっと簡単に頻度の多いものを考えると、

真っすぐタイプ

真っすぐ生えていれば、奥歯と同じように抜歯が可能なタイプですが、根が曲がって骨を抱いていたり、後ろの方が骨に埋まっていたりして、あまり、経験のない先生が、「すぐ抜けますから任してください」といって、抜くのに1時間もかかったということが起きる可能性もあるのがこのタイプです。歯根の彎曲や肥大などの診断が重要!

歯根も真っすぐであれば、奥歯と同じように抜歯が可能です。

斜め(半埋伏)タイプ

親知らずのトラブルが最も多いタイプとも言えます。中途半端に骨や粘膜から親知らずが顔を出しているために、炎症が起こりやすく、前の虫歯との間に虫歯ができて痛みが出たり、口臭の原因になることも多いのが、このタイプです。前の歯の下に潜り込んでいる歯の一部を削って分割して抜歯することが多いタイプです。

水平埋伏タイプ

親知らずが完全に横になっているタイプ。抜歯の時に、骨の一部を削除し、歯を歯冠と歯根で分割することが多いタイプです。親知らずが完全に倒れ込み、前の歯の歯根を横から押す感じで埋まっているタイプです。親知らずを割って2~3個に分離してから取り出したりと、抜歯には技術が必要です。

親知らずの手術の難易度はこれだけでは決まりません。

抜歯の難易度を上げる要素
  •  歯の形態

    前の歯の下に食い込んでいたり、根が湾曲していたり、肥大していたり、複数本の根が曲がっていたり、骨を抱くようになっていたり、抜歯する方向に逆らうように歯の根が開いていたり、引っかかる部分があったり、そのような場合には抜歯の際に苦労することもあり増す。
  •  口の開き具合

    あごが大きく開けられない場合には、抜歯の器具が奥まで届きにくく抜歯がスムーズに行かないこともあり、抜歯に時間がかかることが多くなります。
  •  下顎の中を走る血管神経

    下顎の骨の中に下顎管というとんねるがあり、その中には太い神経(下顎神経)と血管(動脈と静脈)が走っています。親知らずは、この血管神経の近くにあることが多いため、抜歯時にどうしても神経に影響を与えるリスクが高くなります。唇やその周囲のオトガイと言われる部位にしびれや麻痺が残ることや著しい出血が起こることもあります。

Classification of impacted mandibular third molars according to Pell and Gregory (1933): a according to the depth of impaction and proximity to the second molar; b their position according to the distance between the secondmolar and the anterior border of the ramus of the mandible.

上の図で黄色い線が先ほどお話しした【下顎管】というトンネルです。

親知らずの抜歯後、下顎管(下歯槽神経)が露出した症例です。CTによる観察と抜歯時に十分注意して抜歯を行ったことで、露出はしましたが、神経麻痺はありません。

親知らずを抜いたあとはどんなことが起こりますか?

  •  腫れ

    抜歯後、腫れが強まり、2日から3日後にほぼピークを迎えます。その後は徐々に引いていき、1週間から10日かけて消失します。
  •  痛み

    術後約1時間で手術中に行った局所麻酔の効果が切れた後には、痛みが出現します。痛みに対しては痛み止め(鎮痛剤)を服用することで十分に対応できます。腫れと同じように痛みが消失し、気にならなくなるまでに1週間から10日を要します。
  •  開口障害

    術後、腫れや痛みがあることと、口を開ける筋肉の周囲に炎症が波及するため、口が少ししか開かなくなる場合があります。3日くらいをピークとして1週間から10日で改善されます。
  •  出血

    術後1~2日は唾液の中に血が混じって出ることがあります。当院では抜歯窩に止血剤を使用しますのでその出血は最小限のものに抑えられます。
  •  内出血(まれ)

    色の白い方や抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)を服用している方では皮下に内出血を生じる場合があります。最初は暗紫色ですが、次第に茶色から黄色になって、2週間ほどで消失します。
  •  しびれ・味覚障害(非常にまれ)

    非常にまれですが、合併症が出現した場合には、オトガイ部や下唇、舌にしびれが出現する場合があります。舌の場合には、味覚障害も出現します。
  •  鼻から空気や水が漏れる(非常にまれ)

    上顎の親知らずで、非常にまれではありますが、合併症が出現し、抜歯窩(歯を抜いた穴)が上顎洞と交通した場合には鼻から空気や水が漏れるという症状が出現します。
  •  ドライソケット(非常にまれ)

    抜歯を行ったあと、通常、抜歯窩(歯を抜いた穴)は血餅(血液が餅のように固まったもの)で満たされ、そこに線維が入り込み、線維性骨化(繊維組織から骨に代わる)が起きて骨に代わります。しかし、この血餅が十分に形成されなかったり強いうがいなどで脱落したりすると、歯槽骨が露出し、しみるような強い痛みが抜歯後、数週間を伴うことがあります。2~5%の確率で発生するといわれます。

歯を抜いた後の、傷口は約1週間で治癒しますので、抜糸を行います。しかし、それで骨の中まで完全に治癒したわけではなく、治癒はまだ続いています。表面の歯肉が治癒するのに約1か月、内部の骨が先ほど述べたように線維性骨化を起こして完全に治癒するのに3か月以上かかります。治癒するまでの間、抜歯窩がくぼみ、そこに食片がつまることがありますが、うがいなどで自然に出ますので心配することはありません。

親知らずを抜いたあとの注意事項

  •  止血

    抜歯後にはガーゼを噛んでいただきますが、その目的は圧迫して止血するためです。クリニックでは5分から10分で止血を確認して帰宅していただきますが、帰宅後などでじわじわと出血してきた時には、20分以上しっかり咬んでください。抜歯の翌日くらいまでは少量の血液が唾液に混じって出ますが、血が唾液などで薄まって多く出血しているように感じることが多く多量の出血が続くことはありませんので、心配いりません。血が出るのを気にして何回も唾液をはいたりうがいをしたりしますとよけいに出血しますので注意してください。
  •  腫れや痛み

    親知らずの抜歯後、2~3日、顔が腫れたり、痛みが続くことがありますが、腫れは血行を良くして治癒させるために必要なものですから、冷やす必要はありません。冷やすことで血行が悪くなり、腫れが引きにくくなりますので、冷やさないでください。
  •  食事

    抜歯後3~4時間、最低でも2時間ほどあけて食事をしてください。口の中の手術で麻酔をしていますので、頬や唇をかまないように注意してください。普通の食事でも結句ですが、症状によって流動食または半固形食品(お粥、うどん、豆腐、プリン、スープ、ヨーグルト、ゼリーなど)からとるようにしてもよいかもしれません。
  •  薬

    処方された薬は指示通りに内服してください。 鎮痛剤は、通常、2錠もしくは痛みが軽い場合には1錠でも効果があると思います。鎮痛剤(痛み止め)の内服は、次の内服まで4~6時間は間隔をあけるようにしてください。
  •  飲酒・運動・入浴

    抜歯後一旦は止血しても、血行の良くなるようなことをすると、再度出血する場合があります。これは、血圧の上昇によるものですから、少なくとも抜歯当日は飲酒・運動・入浴を避けてください。入浴はシャワー程度なら構いません。
  •  歯磨き

    抜歯当日は、抜歯した周囲は歯磨きせず、うがいのみにしてください。抜歯部位から少し離れた部分の歯はしっかりと歯みがきしてください。うがいですが、強く行いますと、出血の原因になりますので軽く行ってください。翌日からも数日は抜歯した周囲の歯に関してはゆっくりと慎重に歯磨ききしてください。

症例

30歳代・女性

知り合いに紹介され、地元で親知らずの抜歯ができるという歯科医院で抜歯。2時間かかったとのこと。その後、オトガイ部に神経麻痺が残るも、そのうちに治ると言われ奉仕された。

違和感が抜歯後4か月経っても治らず、当クリニックに来院されました。

抜歯窩付近を押すと排膿があり、通常のパノラマ写真では疑いはあるものの、はっきりとはしなかったためCTを撮影したところ、歯を分割した時の破片が多数、残存していました。これが、排膿の原因でした。再度、傷口を開き、破片を一個一個丁寧に摘出して、症状改善しました。

歯の破片を取り残し、排膿が続いているために、抜歯窩も十分に治癒していない。

歯の破片は骨の上に3つあるのがわかる。

歯の破片は骨の中にも取り残している。

治癒していない抜歯窩と神経の関係を見ると麻痺が出る可能性はあるものの、適切な抜歯か否かの疑問は残る。

術前に説明していないのはアウト!

この断面にも残存した歯の破片が存在する。

About Us

命を預かる歯科口腔外科診療

口の病気には口腔癌など命に直接関係する怖い病気以外にも、心筋梗塞や脳梗塞を起こす血栓の原因である歯周病菌や、誤嚥性肺炎の原因、敗血症の原因になる病巣、骨粗鬆症の診断など命に直結する疾患や原因が多く存在します。
私ども東京銀座シンタニ歯科口腔外科は、院長である新谷悟教授の25年に及ぶ口腔外科医として心血を注ぎこむ命を預かるクリニックとして開院いたしました。

Clinic Information

  • 平日  10:00~13:00 / 14:30~19:00
  • 休診日  日曜、祝日

Zip:104-0061


Address:東京都中央区銀座1-8-14 銀座大新ビル5F


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