ドライマウス治療 Xerostomia

12 ドライマウス治療で
舌の痛みや口臭などの症状改善

ドライマウス

唾液は1日1.5リットルほど分泌され、口の中を潤しています。ドライマウスは、主に唾液の分泌が慢性的に低下することで起こります。ドライマウスになると、口の中が乾いて「ものが食べにくい」「話しにくい」「口の中が傷つきやすい」など、さまざまな症状が起こり、日常生活に不便を感じるようになります。

若年者では少ない病気ですが50歳以上で多くなります。日本における罹患者は800万人程度と推定されています。

不正咬合による主な悪影響

ドライマウスになると、口の中が乾いて、さまざまな症状が起こります。

唾液量が少なくなると口腔内に細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となることもあります。また、舌の表面がツルツルになったり、赤くなったり、ひび割れができたりもします。以下のような症状がある場合にはご相談ください。

お酒はほどほどにする。バランスの取れた食事をとるようにする。タバコをやめる。など、日頃の生活習慣の改善を心がける。

ストレスがかかったり緊張をすると交感神経（戦う時の神経）が優位になり、唾液の分泌が抑制されます。

様々な薬（抗うつ剤、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、降圧剤など）の副作用として唾液分泌の低下があります。

年齢とともに口や顎の筋力が低下や萎縮がおこり唾液の分泌量が低下します。

鼻疾患や癖などで口で呼吸をすれば唾液は蒸発し口が渇く原因となります。

浮腫、脱水症、糖尿病、シェーグレン症候群、放射線、骨髄移植などがあります。

当院では、唾液量の測定は行わず、ムーカスによる口腔乾燥状態の把握と必要に応じてカンジダ検査を行っております。

ガムをかみながら10分間唾液を採取します。採取方法は安静時唾液と同じです。厚生労働省のシェーグレン症候群の診断基準では10mL/10分が基準となっています。そこで、これ以下を唾液分泌減少の目安にしています。

約2秒で口腔内の水分量を測定できるので、患者さんへの負担が少なく気軽に測定できます。

下の唇の内面から小唾液腺を摘出し病理組織学的に検索します。切開線は1cm程度で、1～2針縫合し、1週間後に抜糸します。切開する前には局所麻酔の注射をおこないます。

血液検査はシェーグレン症候群の診断基準に血液検査があります。

カンジダ症が疑われるときには菌の培養同定検査を行います。